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大学を休んでいる間、サボらないための日記

北より便り その2

 札幌に泊った翌日、まずピリカコタン(アイヌ文化交流センター)に行った。ここは名前の通り、アイヌ文化を学べる施設だ。一番の特徴は、展示品がレプリカのため、触りまくれるところである。独特の文様が刺繍された着物や、木の食器たち、鮭の革靴など、アイヌ文化圏の日用品をふむふむと観察する。特に木の器が、塊からそのまま削り出した迫力があり、かっこよかった。民芸品の飾らない美しさに惚れる。

 センターは小さめなので、1時間もあれば見終わる。周囲には温泉やキャンプ場、つまり自然しかなく、札幌市内に帰ろうとバスに乗ったところ、運賃が足りなくて降り際に焦る(どうにかした)。運転手さんごめんなさい。

 

 札幌ラーメンを食べ、美瑛まで移動する。日が沈む前に、「青い池」に着く。これは水面が青く見える不思議な池とのことだったが、太陽光が差さないと青く見えないため、日没前に訪れても特に青くなかった。普通の池の真ん中に枯れ木が刺さっている様を写真に収める。

 

 ホテルは青い池の近くにあった。どことなくバブルの香りを残す建物で、かつては大勢の人が来たのだろうな、と感じさせる。昔は近くにスキー場があったらしいが、それが潰れたので、冬は人が少ないらしい。あまりに短期間で変わる世相に対して、必要以上のものが作られてしまうのは、現代的な問題なのかなあと思う。作業効率が良くなったので、短期間で立派なものが大量に作られる。そしてそれが必要とされなくなった後も残り続ける。

 

 北海道では主に車で移動するので、体がなまる。宿泊した施設にはプールが併設されており、水着が借りられたので、食事後に泳いでいた。旅行に来てまで水泳をする女子大生とは…と思ったが、まあいい。

 

 借りた水着はサイズを間違えたのでぶかぶかだった。それにしても、水泳をやっていた頃から随分肉が付いてしまった、と膨らんだお腹を見て思う。ロビーに面した壁がガラス張りになっており、時折他人に見られて恥ずかしい。羞恥プレイか。プール内には、私の他に兄弟らしき男の子たちが3人いるだけだった。とても楽しそうに遊んでいて、こういう無邪気さっていいよなあ、と思いながら、黙々とクロールで泳いでいた。

 

 ホテルは天然温泉を目玉にしており、プールの更衣室から、螺旋階段を上がって浴場の更衣室に行けるようになっていた。ここはstaff onlyか…?な裏道を通っていくため、楽しい。私は物事の裏側を見るのが好きなのだ。宿泊する時は、ホテルの優雅さの裏にあるものの片鱗を垣間観るときがあり、にやにやする。目に見えるものばかりじゃつまらないと思う。