好きな話1
うちの大学では、お寺や神社に見学に行く授業がある。普段非公開の場所に入れたりする、少しお得な授業だ。交通費は自腹なのが痛いところ。
その授業で、とても貴重な建物の中に入る機会があった。入る前に、住職さんと先生から厳重に注意される。「 絶 対 に ! 壁に手で触れないでください」と。
なぜかと言うと、素手で触れると、手垢が壁につき、触った直後は分からないが、後になって手形が浮き出てくるからという。一度損なわれたら取り返しがつかない重要文化財、心して見学させていただいた。
その時に、怪談話を思い出していたのだ。壁に手形が浮き出て、次第に数が増えて行く恐怖の話を。その元ネタは、案外こういうところにあるのかもしれないと考えた。
自分でも気に入っている妄想だ(裏付けはないです)。