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大学を休んでいる間、サボらないための日記

北より便り その4

 朝一番で欠航が決まった。実は人生で初めての欠航だ。一人だったら慌てふためいていたかもしれないが、幸いにも親がいたので助かった。とりあえず代機をとるため空港に向かう。

 北海道の空は曇りだが降ってはいない。車のラジオからは、和歌山で川が決壊だとか大変なニュースが読まれているが、実感がない。関西にいなくてよかったねー、ぐらいである。当事者でないというのは、かくも鈍感なものだ。

 

 千歳空港に着くと、大勢の人がいた。TV局も来ている。この日の便がほぼほぼ欠航になったため、振替カウンターには列ができていた。待ち時間に、どうやって帰るかを考える。意外だったが、旅よりもこのプロセスが楽しかった。函館まで車で行くか、いや、羽田に飛んで陸路で帰るか、などぐるぐると考える。そこで思ったのは、旅を面白くする方法なんていくらでもあるんだなあということだった。普段は効率を優先して、安い飛行機で直接行く方法をとりがちだが、別に手段はそれだけではないのだ。結局、新潟まで飛んで陸路で帰ることになった。

 

 それで、その日の夕方にはもう新潟についていた。スピード感がすごい。新潟空港の土産物屋を物色していると、面白可笑しくプロモーションされたグッズや、職人の技を用いた日用品が販売されており、そういや新潟にはsnow peakの本社があった、そうか、新潟はものづくり的にこんなに多様で面白い街だったのだな、と気が付く。しかし新潟観光をする時間はなく、残念だ。夜ご飯に入った居酒屋がとても良かったり、ホテルの接客が親切だったりと、完全にノーマークだった新潟県だが、本当に立ち寄れてよかったなあと思えた。何かと北海道が注目されがちだが、東北の中にも、頑張って盛り上げている地域がある。私がよく用いる、二流の果物の方が美味しい理論である。新幹線を使えば関西から4,5時間で行けることも分かったので、今度は東北の諸国巡りをしようと心に決めた。

 

おわり

 

(この旅行記は1/3ほどフィクションでした)