休学中ですブログ

大学を休んでいる間、サボらないための日記

iPhoneカメラマン

 作品の物撮り以外、写真をほぼiPhoneで撮る。SEなので、最新機種に比べたらそりゃあ画質は良くない。しかし、良い機器を用いると、深く考えなくてもいい写真が撮れてしまうのが恐ろしいのだ。なんとなく出来てしまうことほど恐ろしいことはない。

 

 大学の設備に3Dプリンターが導入された頃、それを使うためにCADソフトを学んだ。その時に、なんとなくでそれらしい形が作れて、しかも実際に出力できてしまうことに違和感を覚えた。アートならそういう偶発性に頼るのもいいかもしれない。しかし、我々がやってるのはデザインなのだから、形は作り手の意思を反映したものでなければならないはずだ。それがだるいなら粘土でもこねていろという話である。その違和感をリアルタイムでは言語化できなかったが、画面上でそれっぽい形を作って喜んでいる同級生を見ながらモヤモヤしていたし、それに流されそうになる自分を戒めていた。私がスタイロや紙できちんと試作を作るようになったのは、皮肉にも3Dプリンターを制作に用いるようになってからだった。

 

 それと似たような感情を、性能が良いカメラを買いたがる人に対して抱いている。確かに一定のクオリティ以上に仕上げるには良いカメラ、良いレンズが必要だろう。しかし基盤の技術はないがしろにされていないか。フリーペーパを作っていた頃、いいカメラを持っているのに、使えない写真ばかり撮る後輩に苛立っていた。そのカメラの性能を活かせないなら、写真係を辞めろと思っていた。しかし世の中には、いいレンズを買うことに生きがいを見出している人々もいるので、そこに口出しをするのは微妙な線なのである。ただ、普通のカメラでいい写真を撮れる人が本物だという私の持論は変わらない。