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大学を休んでいる間、サボらないための日記

未来言語への第一歩 その2

 さて、しばしの休憩を挟み、未来言語WSの後半戦が始まった。講師はあの伊藤亜紗さんである。

 余談だが、見えない人を卒業制作のテーマにしようと思って調べ始めた頃、伊藤さんの存在を知った。著作を読み、伊藤さんも吃音者であるということを知り、世の中には先駆者がいるものだと思った。話すことに困難がある人は、見えない人が気になるのかもしれない。

 

 閑話休題、 

 伊藤さんのWSは、まず、エンタくんを使うスポーツの紹介から始まった。エンタくんというのは、新宿区の新手のゆるキャラだ。というのは嘘で、直径150センチほどの円形の段ボールだ。これを使って、見えない人にスポーツ実況をするという。

 やり方は、エンタくんを中央に三人が二等辺三角形の形に座り、頂点の人が見えない役になる。そして、スポーツ実況の動画を見ながら、そこで行われる試合を向かい合った見える役二人が再現する、という手法だ。具体的には、テニスの試合を例に実演された。ボールが跳ねる様子、サーブ、ラリーの強弱などを、段ボールの表面を撫でたり、叩いたりして表す。実際にやってみると、集中力と反射神経がいるので、思ったより疲れる。けれど楽しい。原始的な任天堂のような感じだ。

 エンタくんの代わりに手ぬぐいを使う、柔道バージョンもやってみた。背負い投げの再現など、やってみると難しい。おそらく経験者が再現するとよりリアルになるのだろうな。

 

 この次は、エンタくんの拡張のようなことをやった。用意された雑多なものを使って、サーフィンを見えない人に体験してもらうというお題だ。

 疲れてきたので詳細は省くが、やった結論としては、私はやっぱり見える側の人間なんだなあと思い知った。というか、視覚に引っ張られすぎて、本質を全然つかめていない。

 これは複数人のグループで行い、我々のグループは、ウレタン材を床にしき、その上に板をのせて、波で揺れる感じを体験してもらう、という装置を作った。これはこれでよかったと思うが、サーフィン経験者のいるチームが作った装置を見て、私は全然本質をつかめていなかったのだなあと恥ずかしかった。

 サーフィン経験者の方曰く、サーフィンの本質は、重心を保つということらしい。そして、その方は棒の上にボール(物理では重心モデルとされる玉)をのせてバランスを取るという装置を作られていた。それを見て、ああ、私は見た目にとらわれすぎているのだなあと反省した。

 

後半戦のまとめ

1.未来言語は、本質を見抜く力があれば使いこなせそうだ

2.本質を見抜くには、経験値が必要だ

 

 未来言語に限らず、相手のことを考えてコミュニケーションするには、経験が必要なんだな。反省は多々あれど、WSが終わった後に伊藤さんにサインをもらえて嬉しかったのでした。