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大学を休んでいる間、サボらないための日記

病めるものは

 「かわいい」と言われる。

 「なんだかんだ大丈夫でしょ」と言われる。

 その度に違和感と、少しの苛立ちを感じる。

 それは、安易にそう口にしてしまう想像力の欠如と、その発言の裏にある自尊心の低さ、そして裏返しとしての歪んだ自己愛に対してなのだと思う。

 

 「あなたはなんだかんだ大丈夫でしょ(私はあなたほど行動力もコミュ力も愛嬌もないし)」

 だから何?と思う。私はそんな卑怯な言葉は口にしない。自分の不甲斐なさを他人のせいにして諦めたりしない。

 

 しかしこれは自分へのブーメランでもある。数年前の私は、今、自分が苦手とする人々と同じセリフを口にしていた。だからこれは、ただの同族嫌悪である。

 

 一見華やかで社交的で人生イージーモードに見える人の中には、様々な事情を抱えている人もいるという事実を知れてよかったと思う。知識としてではなく、実感として。そしてそれはおそらく、私自身にこの奇妙な特性がなければ知り得なかったことだ。そういう意味で、病める者は幸いであると思う。下から見上げた景色を知っているから。それは上から見下ろす景色よりも、暗く、見通しが悪く、絶対的で、絶望的だ。

 

 苦しんだ経験があるから人に優しくなるのか、厳しくなるのかは、その人と環境に依る、としか言えない。私は優しい人になりたいなあと思う。けれど時折、自分の中の化け物が嫉妬や嫌みやきつい言葉を口にするので、道のりは長いなあ、と感じている。徐々に小さくなってくれればいいけれど。